「幸運の女神には前髪しかない(後ろ髪がない)」 「だからチャンスがやって来たら逃さずつかめ」といったことわざ、よく耳にしませんか?
いったいどこの国のことわざなんでしょう?そして出典は?
■ 発端はレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉らしい ( 『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記』 )
(1) ローマ神話の 「豊穣多産の女神」 “フォルトゥーナ(Fortuna)” がギリシャ神話の 「運命の女神」 “テュケー(Tyche)” と同一視され、 「幸運の女神」 となる。 もちろん髪の毛は普通にある。
(2) さらに、ギリシャ神話において概念の異なる二人の 「時の神」 、 計ることのできる、流れる 「時間」 を意味する “クロノス(Chronos)” と、 ターニングポイントなどの一瞬の 「時」 を意味する “カイロス(Kairos)” がいる。 このカイロス神は、頭にひとつかみの前髪だけが生えた、肩とカカトに翼を持った少年。
一瞬にして目の前を走り抜ける “カイロス” = “チャンス(好機の時)” を捕まえるには前髪をつかむしかない。 通り過ぎた後を追いかけても、後ろ髪が無いので捕まえられない。
これを (意図的にか?) 混同したレオナルド・ダ・ヴィンチの言葉より「幸運 (運命) の女神の前髪」 説ができあがったと思われます。
チャンスは待ってくれないことだけは確かなようです。